高校数学の改訂

高校の科目新設・再編に関しては以前の記事で紹介しました。
今回は「数学」についてです。
数学は大きく変化のあった教科です。
■現行からの改訂
「数Ⅰ」・「数Ⅱ」・「数Ⅲ」
「数A」・「数B」・「数学活用」
から
「数Ⅰ」・「数Ⅱ」・「数Ⅲ」
「数A」・「数B」・「数C」
に変わります。
前回の改訂で、「数C」がなくなって「数学活用」に変わったのですが、今回の改訂で「数C」が復活しています。
単元の移行もかなりされています。
数研出版のまとめられたものが見やすいので参照します。

参照元:https://www.chart.co.jp/subject/sugaku/suken_tsushin/100/100-2.pdf
(https://www.chart.co.jp/subject/sugaku/suken_tsushin.html)
想像していたよりも変わっています。
■新課程について
①「数Ⅰ」データの分析
四分位範囲・箱ひげ図が中2に移動。
新たに、統計の仮説検定について軽く触れることになりました。
②「数Ⅰ」数と式
数Aから整数の性質が移動。
分数が有限小数や循環小数で表せれるものの仕組みを扱います。
③「数A」確率
「数B」の統計から期待値が移動。
頻度確率を新たに扱います。
④「数A」数学と人間の活動
「数学活用」から移動。
もともと「数A」にあった整数の約数や倍数はここで扱う。
⑤「数B」の構成
数列・統計的な推測に加え、「数学活用」から数学と社会生活が数Bへ移動。
⑥「数B」統計
区間推定・仮説検定を扱うことが明記され、有意水準を用語として導入。
⑦「数C」の構成
「数Ⅲ」の平面上の曲線(2次曲線)と複素数平面、「数B」のベクトル、「数学活用」の数学的な表現が新しくできた数Cへ移動。
⑧生活に関わる数学についての単元
主に3つ。
「数A」数学と人間の活動は上記参照。
「数B」数学と社会生活ではデータの収集・分析を扱う。
「数C」数学的な表現の工夫は、離散グラフや行列を扱う。
注目したいのは⑤と⑦。
まず⑤の「数B」の構成。
現行の大きな3つの柱である
「数列」「ベクトル」「統計的推測」
から
「数列」「統計的推測」
「数学と社会生活」
に変わっています。
そして⑦の「数C」の構成。
「ベクトル」
「平面上の曲線と複素数平面」
「数学的な表現の工夫」
の3つです。
いずれも現行の「数B」「数学活用」とは大きく変わっており、2025年以降の共通テストの出題にもかかわってきます。
■共通テストとの関連性
共通テスト(2025年以降)
数Ⅱ・数B+数C が必要
国立大学(文系)志望は 数Cが必須に。
※私立大学(文系)志望も、数Cが数学受験の範囲に入る可能性があります。
ということは、文系だから数Cいらない、ではなくなります。
上位校での文系と理系の違いは、数Ⅲをやるかやらないかになりそうです。